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2019年12月 9日 (月)

クムダセヤドー 法話(7)  

2019年5月、来日されたクムダ・セヤドーの法話を文章にして順次掲載しています。
文章化にあたって協力してくださった皆様に感謝申し上げます。

 

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会場付近の風景

 

自分を支える「波羅蜜」  

  お釈迦様が、ヤジャ城の町でウェンルーオンというお寺におられたときに、天界のタウリンサ(三十三天)にいる弟子が象に乗ってお釈迦様に会いに来ました。その時、ワンギーサというお坊さんが、その弟子に「なぜ三十三天に生まれ変わったのですか?」とたずねました。弟子は、「人間だった時に、五戒を守って三宝に帰依したからです」と答えました。五戒とは、「殺生をしない。盗みをしない。不倫をしない。嘘をつかない。お酒や麻薬などをやらない」ですね。三宝とは、仏・法・僧です。仏法僧への帰依です。それが原因で三十三天に生まれ変わりました。

 

なぜセヤドーがこの話をしたかというと、皆さんは今、三法への帰依と八戒を守っていますね。これは三十三天に生まれることができるような大きな波羅蜜なので、自分が戒を守ったことを喜び、大事にしてください。いつも、このことを思い出して、心に喜びをつくってください。死ぬときも、八戒を守ったことを思い出せば、地獄など四悪趣には行きません。間違いなく天界に行けます。ですから、毎日、寝るときにでも、「私は今日、八戒を守った」と思い出してください。自分のした功徳を忘れないようにしてください。

 

 この功徳は、家族よりも自分を支えてくれます。自分の人生にとってとても良い波羅密になります。お金とか、財産とかあっても、死ぬ時には全然支になりません。しかし、この功徳は大きなものです。車とか財産とか、家と、それはあまり支えてくれません。家族、娘、息子、旦那さん、奥さんとか、それより今の功徳はもっと自分を支える力になります。
このことを忘れないで、いつも思い出してください。

 

 戒律を守ること、お布施をすること。いつもそれを思い出すときに、功徳になっています。稲妻が光る一瞬の時間でも、このような功徳の心を持てば、それは大きな力になります。それは良いチェタシーカ(心所)がたくさん生じているからです。それが支えてくれます。今生だけでなく、来世以降もその功徳のときに生じたチェタシーカ(心所)が支えてくれます。

 

 戒律(シーラ)や、布施(ダーナ)だけではなく今皆さんはアナパナ瞑想をやっていますが、それも功徳です。それもいろいろの良い結果をもたらします。たった一分だけでもアナパナをすることは、大きな力になる功徳になります。はるか昔、今の宇宙ではなく、一万くらい前の宇宙で、ある弟子が、自分だけではなく他の人に、灯明のお布施を薦めました。そして言われた人たちは皆、布施をしました。その功徳で、その弟子はとても長い間、何度も三十三天に生まれました。自分がしたことだけではなく、他の人に善いことをすすめることも大きな功徳になります。

 

 ですから、功徳は小さくても忘れないように。小さな功徳でも、例えば今の弟子の話のように、ずっと以前に、周りの人に働きかけただけでも、良い世界に生まれ変わっているのですから、自分の功徳も、少ないとか言わないで、忘れないように。いつも思い出して喜んでください。今日は皆さん、セヤドーに食事のお布施をしましたね、瞑想修行もしましたね。それはすごいことです。それを「少ない」と思わないでください。それを忘れないで大事にしてください。それをいつも思い出していれば、いつか良い結果が出てきます。

 

 お坊さんに会うことや、戒を守ること、お布施をすること、瞑想をすること、これは簡単にできることではない。なかなか難しいのです。皆さんのいままでの功徳の結果で、こういう場所に出会えています。日本にも色々な場所があり、世界も色々な場所があるでしょう。でもこういう場所は少ないでしょう。このように瞑想したり、お坊さんに会ったりする場所は、世界どこにでもあるわけではないでしょう。それはすごい功徳なのです

 

原因があって結果がある

  セヤドー一人でこういう会を開くことは困難です。組織する人たちがいなければ難しい。だから、なかなかつくることができない貴重な功徳を皆さんは作っているのです。原因がなければ結果は出ない。セヤドーが日本に来始めたのは40代からのことで、今セヤドーは60歳になりました。日本に16回くらい来ています。だから皆さんの功徳がいっぱいになっています(笑)。 それは皆にいい結果と功徳ををもたらしています。しかし、セヤドーは歳をとっていくから、これからいつ日本に来られなくなるかわかりません。

 

 鈴木一生さんも、一昨年亡くなってしまいました。とてもダンマを欲する人で、功徳を積んだ方でしたが、病気になってしまいました。しかし、日本にこのテーラワーダ仏教を伝えたいと一生懸命努力されたな方でした。「ビルマ人に生まれ変わりたい」と、死ぬ前におっしゃっていました。ビルマ人じゃなくてもいいんじゃないですか。、ビルマにも瞑想できない人は一杯いるから、ビルマ人じゃなくてもいいんじゃないですかと聞きましたが、今生は、早く亡くなって、ビルマ人に生まれ変わりたいと、とても強く希望していました。亡くなったあと、その骨の一部はセヤドーの僧院に送られました。セヤドーはその骨をパゴダの隣に収めたそうです。鈴木さんは、心では修行をとてもやりたがっていましたが、亡くなってしまいました。皆さんはまだ生きているのですから頑張ってください。

 

 鈴木さんは生前、クティという修行者の宿舎をたくさんお布施しました。鈴木さんが、一番最初に、他の人たちを誘ってクティを建てたのです。そして鈴木さんは自分が布施したクティに、亡くなった後に来たみたいです。今はもう出てきません。人間に生まれ変わっているそうです。だから、自分の心は、死ぬ時に、良いことを思わないとダメなのです。自分自身で心をコントロールしないとダメなのです。アナパナで自分の心をコントロールできるようにしてください。

 

 どの瞑想でも、自分の心をどこに置いたかが問題で、サマーディはそういうことです。自分の心をコントロール出来ないと、心はばらばらになってしまいます。行きたくない世界に生まれ変わってしまいます。例えば動物界とか。ですから、アナパナ瞑想をして、サマーディを作って心をコントロール出来るように。心は飛んじゃうでしょ。アナパナ瞑想でそこをコントロール出来るように訓練して、練習してください。自分の心をコントロール出来ないと他へ飛んじゃうから。鈴木さんは、人間に生まれて、お坊さんになって、ここに来るかもしれない(笑)。 鈴木さんの思いは、日本にミャンマーのようなお寺を作ることでした。ですから、これからお坊さんになって日本でお寺を作ることになるかも知れませんね。

 

 今機会ががあるうちにお布施・戒・定・ヴィパッサナー瞑想をがんばれば、それが自分の力になる。自分を支える。その功徳で自分を支えてください。ヴィパッサナー瞑想ができるまで頑張ってください。ヴィパッサナーができないとなかなか難しいですね。セヤドーは16年日本に来ていますが、瞑想が最後までできたのは6人ぐらいでした。セヤドーはもっとたくさんの人に最後までできてほしいと思っています。昔の人たちは一生懸命やっていましたが、今の日本の方は難しいようでなかなか進みません。前に瞑想会に来ていた人たちは一生懸命やっていました。

 

人間では、悪いことをして人生を終える人の方が多い。戒を護らない人が多い。だから、地獄にいく人が多い。ですから、善いことをして功徳を積んでください。

 

質疑応答

 参加者:今、モービ僧院の日本人の瞑想レベルが低くなっているのはなぜででしょうか?

 

セヤドー:それは、過去の生で悪いカルマを作っていて、その心が出てきて修行に集中できないとか、良い原因をあまり作っていないので、良い結果がでないということですね。良い波羅蜜を作っていないということ。前のカルマのせいで、心も体も楽しいというような状態にならない。だから、頑張ることが難しくなっている。人生が大変になっている。元気が出ないとか、疲れていて修行がたいへんなようです。カルマのせいで、頑張りたくても、仕事や家族のことなどで帰らなければならないこともあります。

 

私(通訳)も同じです。ミャンマーへお坊さんになりたくて帰ったけれど、家族のため、家を作らなくてはならなくなったり、あまりお寺へ行けなくなっている。セヤドーは、あなたも同じだね、とおっしゃっている(笑)。

 

まだ時間がある、後ですることができると思っているのは間違っています。時間はあまりない。後でやるよと、そんな風に考えているうちに、人生が終わってしまいます。功徳を積むことを急いでください。早めにやるのが良いのです。涅槃にいきたければ、急いでやってください。

 

参加者:今まで悪い業をいっぱいつくってきたと思うのです。反省することが一杯あります。来世を良い人生にしたいのですが、悪い業は消せないので、善い業をつくるしか前向きに進むことはできないのでしょうか?

 

セヤドー:だれでも悪いことをしない人はいないですからね。これから4つの方法を教えます。
1. 今までしていない悪い行ないを、これからもしないようにする。
2. すでにしてしまった悪い行ないを、二度としないようにする。(また、そのことについて、後悔したり、考えたり、思い出したりしない)
3. 今までしていない善い行いを、するようにする。(他に人のために良いことをするとか)
4. やったことのある善いことを、続けてやるようにする。(そのことを考えたり、思い出したりすることも、善いことをすることにあたります。)

 

この4つができれば、いい人生になり、来世も良いことになります。この四つは自分を支えることになります。今日はここまでです。

 

     サードゥ!  サードゥ!  サードゥ!

 

           (2019年4月28日  みなかみ合宿での法話)

 

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