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2019年7月 2日 (火)

クムダ・セヤドー 法話(3)

2019年5月、来日されたクムダ・セヤドーの法話を文章にして順次掲載しています。
文章化にあたって協力してくださった皆様に感謝申し上げます。  

 

P6

 

 今日は瞑想の方法3種類を教えます。セヤドーが他のセヤドーたちに教えてもらった瞑想方法です。

 

アーナパーナサティ

 入息出息に集中できない時、やるべき方法は3つあります。まず1番目は、皆さんもご存知の数字を数える方法です。1から8までです。もう一つは1から10までです。まず8まで数えるという方法ですが、8までというのは八正道から来ており、10というのは仏陀の智慧が10あるのでそこから来ています。
 もう一つの方法は、まず1から5まで数えて、次は1から6まで、次は1から7まで、と最終的には1から10まで数える方法です。そういう時に1から5までで止めてしまうと心が彷徨って、牛が囲いのなかで彷徨ってしまうようになります。また10以上に大きく数えてはいけません。それは10以上に数えると、数字が大きくなって、数字の方に気がいってしまうからです。上の方法は心が彷徨う時にやる方法です。それは数字で数える方法です。

 

 もう一つの方法は入息の時に「1、1、1」、出息の時に「1、1、1」と3回数える方法です。これを1から8までやります。数字一つを3回ですね。どうしても先ほどの方法で心が彷徨ってしまう時にはこの方法でやります。
 もう一つの最後の方法は、舌を口の中でつける方法です。それで出来ない場合はもう方法はありません(笑)。ですから心が彷徨ってしまう場合はこの中から好きなものを選んでやって下さい。5つの方法がありますので、覚えておいて下さい。

 

 そういう風に心が落ち着いてきて、集中できるようになってきたら、出息入息に集中できるようになってきて、グレーなものが見えてきます。そして心がもっと落ち着いて、集中できるようになってきたら、雲のようになってきます。
 さらに集中できるようになったら、明るい光になってきます。最初に光る時は広い光になります。もっと集中できるようになってきたら、その光が太陽の光とか月の光みたいに丸い光になってきます。

 

 そういう風に心が集中できるようになってきたら、体もじーっと座れるようになってきます。2、3時間ずっと座っていても痛みを感じなくなります。そうやっていくと入息出息に集中するアーナパーナサティが好きになってきます。
 そうして毎回座るたびに先ほどの光が出てくるようになってきたら、今度は入息出息ではなくて光を対象にします。そうしているうちに先ほどのニミッタ、つまり光が消えてきたら、また入息出息から始めます。入息出息をしてまた光が現れたら、光を対象にします。

 

 ニミッタをずっと1時間くらい見られるようになってきたら、体の中の心臓のところを見ることになります。そうやって見てみると、心臓の動きが入息出息と同じように見えてきます。それはなぜかというと、心の中にアーナパーナサティがはっきりと固定できているからです。それを例えると、満月の時には水の中でも月が光っているようなもので、それと似ています。
 そこまでできるようになってきたら、ニミッタの方を1時間くらい見るようにします。可能であれば2時間、3時間見るようにして下さい。もし2時間、3時間とか瞑想できるようになったら、サマーディ、定が安定してきます。

 

五禅支

 基本的に1時間くらい見られるようになったら、セヤドーがその先を教えます。それが次のステップで、そこまでできるようになってきたら、先ほど見た心臓の中の透明なところを観察して、他の臓器とかを見るようにします。そうしていくと禅定になっていくので、禅定の機能として尋・伺・喜・楽・一境性の五禅支が出てきます。

 

 その1番目の「尋」は、アーナパーナサティをしているとき入息出息に常に注意がいくようにする能力です。次に「伺」は、意識上にずっとアーナパーナサティがいるように支えてくれる能力です。次の「喜」は、アーナパーナサティをすることに喜びを感じるということです。次の「楽」は、アーナパーナサティで幸せな気分になることです。最後の「一境性」は、ずっと心がアーナパーナサティだけにくっついているという能力です。それは禅定の5つの機能、能力です。

 

 ニミッタを集中して見られるようになってくる時は、先ほどの5つの機能が同時に感じられます。それをまとめると、心がアーナパーナサティにくっついていて、そこにずっといられるように支えられていて、そういうことが喜び、幸せであって、ずっとアーナパーナサティをしていられるような状況です。ニミッタに注目してみる時には、常にニミッタに注目しながらも、先ほどの5つの禅定の機能を見ながらニミッタを見るようになります。

 

五自在

 次のステップは五自在を練習することです。1番目は第一禅定の機能を、再度観察することです。2番目は目標を決めて、目標通りに禅定に入ることです。3番目は自分で目標の時間を決めて、その目標通りに修行を行うことです。例えば1時間と決めて1時間、2時間と決めて2時間、と修行することです。4番目は禅定から好きな時に普通の状態に戻せることです。最後の5番目は1番目と似ています。禅定になる時に最後にその禅定の機能をもう一度観察することです。そこまで出来るようになったら、さっきまでは第一禅定だったので、次の第二禅定、第三禅定、第四禅定のやり方をまた教えます。

 

三十二身分

 最後の第四禅定まで出来るようになってきたら、次のステップとしては、毎回第四禅定に入るようにして、その状態で身体の三十二の部位を観るようにします。三十二の身体の部位を観る時、例えば心臓を観る時に、心臓には部屋が何個ついているか、どんな色か、身体のどこにあるのか、そういうのを観ます。それを教える時には、基本的に一日五個観るようにします。最初は、毛髪、毛、歯、爪、皮膚の5つを観るようにします。

 

参加者:それは見るのですか?感じるのですか?
セヤドー:智慧で観ます。例えば自分の両親がいるでしょう。その両親を心の中で観るという感じです。
参加者:それは、イメージするということですか?
セヤドー:智慧で観るというのはイメージするというのとは少し違うと思います。
参加者:観察するということですか?
セヤドー:観察するんですね。何か対象があるとしたら、基本的に人間は五感で感じて心で何かがわかるのですが、今回は五感ではなくて、智慧で観るのです。例えば、心の中に親がいるとしたら、イメージして次のステップで智慧でばっと観えてくる。ちょっと分からないですかね(笑)。
参加者:アナパナをやっていたら智慧がついてくるのですか?
セヤドー:そうですね。アナパナと次のニミッタで、第一禅定、第二禅定・・・と禅定に入れば、智慧がついてきます。ですから、毎回そういう身体を観察しようとしたら、最初に第四禅定になるまでやって、身体が禅定の状態になるようにしてから観察します。

 

 次はまた5つで、肉・筋・骨・骨髄・腎臓です。その5つの中で一番むつかしいのは骨髄です。骨髄を観る時には、骨の中までつっこんで観ることです。お医者さんでも骨髄までははっきり分からなくて、色などもはっきりとは分かりません。それは、白っぽいクリーム色をしています。そういう色まで観察します。それは禅定があるからこそ観ることができるのです。例えば、腎臓を観る時にも腎臓がどんな形をしていて、身体のどの部分にあってとか、そういうことまで分かるようになります。

 

 次の五個は、心臓・肝臓・肋膜・脾臓・肺臓です。その中では心臓が難しいです。心臓のそれぞれの部屋を観るのが難しいのです。4つありますが、皆さん知識ではわかっていると思いますが、そこを観るのが難しいです。他は難しくないです。心臓が一番難しいです。

 

参加者:観る時に心臓の中から観るのか、外から観るのか、どっちですか?
セヤドー:外から観ると心臓の形だけが見えてきます。ですから、心臓の中まで入って、心臓の中身まで全部観ます。

 

 次の5つは、胃・腸・胃の中の食べ物・大便・脳です。腸を観るのが難しいです。腸も心臓と似たような感じで、大事な部分でもあって、難しいです。腸は他の臓器とも繋がっていて、観るのが難しいです。そこも身体の中でも大事な部分です。胃の中の食べ物と大便と何が違うのか。身体の部位としては腸に入ってきてはいるのですが、腸の中でもそれぞれ分かれています。

 

参加者:胃とか胃の中とか腸の中というのは、実際にある自分の胃とかなのですか、それともイメージなのですか?
セヤドー:自分の身体です。
参加者:例えばポリープとか観えるのですか?
セヤドー:基本的には三十二の部位だけ、誰にでもある身体の三十二の部位だけが観えます。

 

 次は6つですね。胆汁・痰・膿汁・血・汗・脂肪です。これはそんなに難しくないと思います。ただ、その中の膿汁は、今は無かったとしても、過去にあった時があれば、観えます。最後は、涙・皮脂・唾・鼻汁・関節液・小便です。その中で一番難しいのは皮脂ですね。皮脂をどう観るかというと、分かりやすいのは顔の上に脂がのっているとかそういう時です。それを見ます。もう一つ難しいのは、関節液なのですが、骨の関節のところとか、筋肉と皮の間とか、そういう部分を観ます。のりみたいに白いものです。その2つが難しいです。
 実際、人間の身体の中にはその三十二の部位だけがあって、私たちが男だとか女だとか色々ありますが、その三十二の部分は誰でも同じです。皆さんは私とかあなたとか分けて、私がなんであるとか、あなたがなんであるとか言っていますが、実際は同じで人間は皆その三十二の部分で出来ています。実際に観えるのは、きれいな私とかではなくて、中にあるとても不潔なものです。上の皮で隠れているので、形が整っていますが、もしその皮がないと、とても醜いものです。そこまで観えてきたら、かなり上の段階までいっています。

 

四界分別(地水火風、ルーパ)

 さらにその禅定が上のレベルになってきたら、それぞれの三十二の部分の形ではなくて、粒子の状態で見えてきます。すべて周りの建物とかでも、その粒子が集まって出来ています。その粒子が集まって形になっているのですが、その粒が無ければ形もありません。そこまで見えるようになってきて、禅定があるレベルまで来たら、そこの部分を詳しく教えます。

 

 身体の部分を観るにしても、身体の部分を地水火風で観るとしたら、身体が粒子で出来ているのが観えてきます。その粒子も素早く生じては滅しているという繰り返しをしています。例えばテレビとかで映像が見えますが、停電とかで映像が壊れると粉々になったりします。なのでテレビの映像も粒子で出来ています。自分の身体も同じです。
 その粒子を身体の中で見ていると、透明なものと透明でないものがあります。その粒子の中にはある程度、固いものもあります。鉄みたいに固いのではなく、ざらざらしているような固い部分もあります。それが地ですね。粒子を形にしているものがあります。粒子と粒子を繋げるものが水です。なぜ繋げるために水があるかというと、本来であれば流れているというイメージをすると思うのですが、とても小さいので水は繋げる役割をします。

 

 さらに熱いとか寒いとか、そういうものが火です。すべて暑さも寒さも燃やすということをするので、二つとも火です。ミャンマーでは、夏になると木は葉っぱが落ちて枝だけになってしまいます。日本では冬に葉っぱが落ちて枝だけになってしまいます。でも両方とも同じですね。暑さと寒さで燃やすということです。ですから、暑さと寒さは両方とも火です。最後は、それぞれの粒子が活発に動いているのが風です。
 あとは色、匂い、味、栄養素もあります。そこまで見えるようになったらルーパ(物質)が分かるようになります。それがルーパの機能です。その中に命もあるとして、9つあるという考え方もあります。さらに言うとしたら透明という機能もあります。なので、色々な言い方があって、8個あるとか、9個あるとか、10個あるとか言います。

 

 それがすべて分かるようになったらルーパが分かるようになったことになります。それぞれの機能は科学的にもはっきりと分かっていない部分があります。粒子までは分かっていますが、それ以上はまだ分かっていません。

 

参加者:さっき内臓を観るときに中から観ていったのですが、地とか水なんかも中から観ていくのでしょうか?
セヤドー:智慧で観ていきます。粒子の状態は中に入らなくても観えます。この中でも栄養素はルーパの中の栄養素の部分まで入って中から観ます。栄養素の一種の油です。そこまで分かったらルーパをすべて分かることになります。

 

無常、苦、無我

 次にヴィパッサナーの方法で観るとしたら、すべてのルーパの機能は、生じては滅すると繰り返しであることを見ていきます。そういう風に見て、すべてのルーパの機能が粉々のものが生じては滅して、生じては滅しての繰り返しであることが分かったら、それらはすべて無常であるということがわかります。

 

 すべてが生じてはすぐに滅する繰り返しなので、すべてのルーパが無常であり、無常であるから怖い、そして苦だと見ます。もう一つは、先ほどは無常であるから、今回は生じて滅しての繰り返しだから怖いと思います。なので、苦なのです。
 そういうことを観て、すべてが生じて滅して、最後に何も残らない。だから、それが無我である、と見ます。それを智慧で観るということです。皆さん、そこまで出来るようになったら詳しく教えます。

 

参加者:そこまで出来る自信がありません・・・。
セヤドー:一日二日とか頑張っただけではそこまでいかないと思います。十年くらいずっと瞑想している人もいます。セヤドーはまだ会ったことがない人で、電話で話してこの段階までいっている人もいます。その方はセヤドーのところまで瞑想しに来たことはないですが、毎日瞑想しているそうです。なので皆さんも頑張ってください。
参加者:先ほどセヤドーと三十二身分についてミャンマー語で話している方がいましたが、あの方は見えるのですか?
セヤドー:あの方は見えませんが、医者なので物理的に肉眼で見ることができます。智慧では観たことはないですが、目で見たことはあるので、お医者さんはイメージしやすいと思います。戒律を守って禅定にならないと観えないですが。
参加者:自分のものよりほかの人のほうが観にくいというのは本当ですか?
セヤドー:そうですね。ですから、自分の身体を観てから、ほかの人の身体を観ます。頑張ってください。
参加者:ルーパとかは、高いレベルまで行っている人は普段から観えるのでしょうか?
セヤドー:基本的には禅定になってから観察します。高いレベルになってくると普通に観えるようになります。すべて観えると、生きたくないと思うようになり、涅槃にいくまで頑張ろうという気持ちになります。そういうのが観えないから、お互いに好きになったりしますが、そこまで観えるようになったらそういう気持ちにはなりません。

 

 皆さんは自分の仕事を終えてから来世とか思っていますが、自分の仕事が終わらないうちに死んでしまうので、早く修行するようにしてください。忙しい毎日の中でも瞑想の時間を作って頑張ってください。なぜかというと、自分の求めている財産とかは全部なくなってしまいますから。
 自分たちが求めているものは、すべて壊れてしまいます。そのことを覚えておいてください。壊れるものばかり探して、求めても意味がないので、時間をとって修行、瞑想をしてください。そういうことをしていくうちに、老いて、病気になって死んでいきます。そうして来世、来世と続いていきます。

 

 そうやって、修行をしてこなかったから、まだ私たちはこの輪廻から逃れられていません。だから、この地球では何回もブッダが生まれてきていますが、私たちは今まで出会わずにここにいます。ですから、ヴィッパサナー瞑想を頑張ってください。

 

参加者:ヴィパッサナーの前に禅定が必要なのですよね?
セヤドー:戒律、禅定、智慧が必要です。

 

      サードゥ!  サードゥ!  サードゥ!

 

              (2019年5月25日 福岡合宿での法話)

 

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