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2019年6月21日 (金)

クムダ・セヤドー 法話(1)

2019年5月、モービ僧院のクムダ・セヤドーは、招きに応じて日本を訪れ、各地の合宿・瞑想会で説法をしてくださいました。この時の法話を文章にして、順次掲載したします。
文章化にあたって協力いただいた皆様に感謝申し上げます。

 

1b

 

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天人になったカエル

 今日は、天人(デーヴァ)になったカエルのの話をします(註1)。サンバという町の中にガカラという池がありました。その町(サンバ)の池のほとりに、講堂があり、お釈迦様はそこに滞在していて、夜になると説法をしました。そのガカラ池の中に、カエルが住んでいました。カエルは夕方になると、お釈迦様の法話を聞きに池から上がって来て、人間たちの隣で聞いていました。ありがたい法話と思って、カエルは聞いていました。

 そこに、牛の世話係がお釈迦様の法話を聞きに来ていました。世話係は、いつも牛たちを世話しているので、牛の尻を叩く棒を持っていました。世話係は、その棒を持ったまま、説法に参加し、人々から離れた所で、その棒を地面に刺して、立ちながら法話を聞いていました。ところが、その刺したところに、先ほどのカエルがいて、法話を聞いていました。カエルは、刺されたことで死んでしまいました。

 カエルは死ぬ前に、法話を聞いていて、嬉しくなりました。そして刺されて死んでしまい、すぐ天人に生まれ変わりました。その天人が住んでいる建物は、長さが84マイルありました。インドですと12ヨージャナです。(1ヨージャナは、7マイルとあります)
ミャンマーはマイルで数えるんですが、日本ではキロですね。日本だとどれくらい?  
(参加者)1マイルは、約1.609km。ですから約135kmです。それくらい広い建物です。

 カエルは死ぬ前に、ちょっとだけ法話を聞きました。そして、すぐに死んでしまって、すぐに天界へ行ったのです。そんなわずかでも、法話には効果があります。法話の効果は、そんなにも大きいものです。その天人は、自分が何で天界に来て、そんなに大きな建物に住んでいるのかと考えました。そして、前世自分がカエルで、すこしばかり法話を聞いたことで、天人になったということが分かりました。自分が天人になった理由を知り、とても嬉しくて、お釈迦様に会いたくなり、人間界に降りて行きました。お釈迦様の法話が聞きたくて、人間界に降りてきたんですね。

 人間界に降りたら、お釈迦様に会いに行きました。お釈迦様は、「あなたは誰ですか?」と尋ねました。それで、天人は、自己紹介をしました。自分は、前世カエルであって、牛の世話係の棒に刺されて死に、すぐに天使になったことを、お釈迦様に説明しました。
それで、お釈迦様は天人にさらに法話をしてあげました。天人は、その法話を聞いて、すぐにソータパン(預流者)になりました。法話の影響力はすごく大きいのです。ちょっと聞くだけで天人になれるのです。

アナパナ瞑想の次の段階  さて、今日は皆さんに難しい話をします(笑)。皆さんが毎日やっている瞑想は、まだアナパナ・サティです。呼吸を見ているだけで、ヴィッパサナーまで行っていないのです。
呼吸を見るだけでは、まだ何もはじまっていないのです。まだ、教えるくらいになっていないのです。

 今、私たちの段階は、呼吸を見るだけですね。呼吸を見ていると、だんだん雲みたいなものとか、形とかが出てきます。それがだんだん強くなったら、丸っぽいものとかいろいろな形で出てきて、やがてニミッタが出てきます。ニミッタが出てきて、それが目の前にとどまったら、そのニミッタをじっと見ることをしなければなりません。で、そのニミッタをじっと見続けるところまできたら、次のステップを教えられます。そのニミッタを見届けて、心の中を見なければいけません。心は、人間でも動物でもみんな一緒です。

 心は、心臓の中にある、血に頼って生きています(註2)。心には色がありません。色はないけれど、心臓のところの色を見ると透明なものが見えます。さっきの、血があるので、血の色で、カラーパ(微粒子)もその色になっています(註3)。それで、その中の色も見えるようにしないといけません。それが見えたら、ニミッタも1時間くらい集中します。
そこまでできたら、後の方は、もう大丈夫です。

 それで次は、ニミッタを30分、できれば1時間見て、それで自分の身体を見ます。自分の身体を上から下まで、32の部分を見ます(32身分)(註4)。それで、32身分を見ると、男も女も区別はないということが分かります。32身分は、男性でも女性でも同じです。
男性も女性も区別はないし、ただ32身分しかないと見えて来ます。もし信じられなかったら、身体を切って見てください(笑)。32身分が見えます。

 32身分以外に、細かく見ると、骨髄の中も見ないといけません。骨髄の中を見るときに、皆が一番間違えやすいです。骨髄の色はクリーム色です。心臓の下にある脾臓を見るときも間違いやすいです。脾臓について、皆それぞれが異なる色を言っています。緑と言う人もいるし、他にいろいろな色を言っています。本当の色は、赤、ブラウン(土色)、青、その3色が混ざった色です。心臓の中にも、心室があり、それもちゃんと見ます。それは、ちょっと難しいのです。あとは、そんなに難しい事はありません。腎臓とかはそんな難しい事は無いです。

 その32身分が終わったら、骸骨を見ます。見ていると、人の身体が骸骨だけに見えるんです。今、セヤドーが仰っていることは、セヤドーが皆さんを見たら、骸骨しか見えないのです。自分を見ていても、他の人を見ていても、皆骸骨に見えます。今、見てても、皆さん、ここは空いていて、歯があって、全部骨ばっかり見えています。智慧で見るんですが、智慧で見ると、皆さんが骨ばかりに見えます。

 その骸骨を見てから、今度は骸骨の色が白になるように見ます。頭骸骨が「白、白」と思って見ていると、骸骨がなくなって、その白い色だけが見えてきます。これは、智慧で見るんです。そして、その白を東西南北と北西・北東・南西・南東・天・地の10か所に広げて、白い色に集中します。それが終わったら、慈悲の瞑想に入ります。

慈悲の瞑想  慈悲の瞑想の4種類を皆さんご存じですか?
①安全でありますように(危険に遭いませんように)。
②心の苦しみがありませんように。
③体の苦しみがありませんように。
④私が健康で幸せでありますように。自分の身体の世話は自分でできますように。
この4種類を覚えておいてください。

 慈悲の瞑想の段階にまで至ってなくても、これは毎日できる事です。これは自分で唱えられます。自分が慈悲を送りたい人、例えば自分の親でもいいし、自分の仲いい方でもいい。その送りたい人の笑顔(幸せな顔)を思い浮かべて、慈悲の言葉を、「その人が安全でありますように」と何回も何回も言うんです。
その人の笑顔を思い浮かべて、「心の苦しみがありませんように」と何回も言う。
その人の笑顔を思い浮かべて、「体の苦しみがありませんように」と何回も言う。
その人の笑顔を思い浮かべて、「健康で幸せでありますように」と何回も言う。

 夕方4時にインタビューをするとき、セヤドーは皆さんの目を見て慈悲を送っています。
毎日一人一人に。それで、皆さんがセヤドーを見ると、幸せを感じるんですね(笑)。
慈悲の瞑想にまで至っていない人も、こういう風に言いながら相手の人に慈悲を送れるんです。そういう風に慈悲を送ったら、会うときは本当に幸せな感じで、お互い会うことができます。怒りとかもぜんぜん無くて、幸せな感じです。嫌いとか、嫌味とか、何にもないのです。今教えた、これを使ってみてください。

 慈悲を送る功徳と、他のダーナ(布施)の功徳の差は、例えると月の光と星の光くらいの差があります。月が出る前に、星が出てきますね。そして、月が出てくると星の色はかすんでしまいます。これは60分の1くらいの差があります。
独身の男性とか、独身の女性の方は、慈悲を送ると相手が好きな気持ちになってきます(笑)。
もし、結婚したいなと思ったら、慈悲をいっぱい送って下さい(笑)。慈悲は、嬉しい気持ちが心の中に出てきて、表情も穏やかになります。

 いつも元気になりたければ慈悲をたくさん送ってあげて下さい。慈悲をいつも送っている人たちは、落ち込んだりはしないです。皆さんの中に落ち込んでいる人は、いらっしゃいますか? もしいらっしゃったら、慈悲をいっぱい送ってください。
(参加者に)○○さん、落ち込んでいますか?(笑)
慈悲をいっぱい送って下さいね。

 慈悲の言葉の①②③④ですね。その一つ一つを何回も送ります。時間を使って、
①番目だったら、20回30回くらいやって、結構長く。②番目もそうだし、③番目もそうだし、④番目もそう。何回も何回も時間かけて送って下さい。
綿に油をにつけると、ふにゃーとなってしまうじゃないですか。相手に慈悲をたくさん送ると、そういう風に心が柔らかくなります。慈悲を送ると、嬉しく、とても生き生きします。慈悲をたくさん送ると、あまり落ち込んだりとか、悩んだりしません。ですから、皆さん慈悲を持ちましょう。

 慈悲の瞑想を何回も何回もして下さい。それは、難しい事はないし、例えばバスに乗っている時とか、電車に乗っている時、どこに行っていても、トイレに入っていても送れます。簡単なことで、短い時間でもできることですから、皆さんやってください。皆さん、こういう慈悲の気持ちがあれば、平和でいられますよ。平和がないということは、皆さん慈悲がないからです。皆さんが、そういう慈悲を持っていれば、この世界が平和で、皆さんが幸せに住んでいられます。

 本当は、セヤドーはこういう事を皆さんに教えてあげたいのです。けれど、皆さんがセヤドーについて来れないのです。皆さんがまだ何も出来ていなくても、これだけやるだけでも、本当に幸せで効果があります。この功徳は、他のダーナと比べものにならないくらい、とても強いものです。できれば、この4種類をちゃんと覚えておいて、自分が慈悲を送りたい人に、いつも送って下さい。その慈悲を送ったら、その人と会うときは、とても幸せな感じで会えます。なぜそういう気持ちになるかというと、相手に慈悲を送っているからです。自分も幸せだし、相手も幸せに感じられます。

 自分の人生でこれは絶対持っていた方が良いので、毎日慈悲を送るようにしてください。
大勢の人に慈悲を送らない時であっても、自分の家族だけでも、毎日慈悲を送ってください。そういう風に慈悲を送っている家族は、絶対に喧嘩することがありません。なぜならお互い慈悲を送っているから、喧嘩しようがないですね。皆幸せにいられます。家族の中で喧嘩するのは、お互い怒りが出て、慈悲がないので喧嘩になるのです。この4種類を覚えておいて、慈悲を送るようにしてください。

 もし、慈悲が世界中どこにでもあったら、戦争もありません。戦争するために銃とか、お金がかかりますけど、そういうものは要らなくなりますよね、世界中に慈悲があったら。
現実には、慈悲がないので戦争になっています。世界は今、どこの国も経済力が落ちています。戦争のためにお金を使っているので、経済力が落ちています。慈悲があったら、戦争するために銃とか作る必要もないし、お金使う必要もないですよね。そうなれば、皆幸せに生きていられます。慈悲がないので、みんなお互い戦争したり、国と国の間に嫌みとか、無法とかが出てきたりします。

 今、ここにいらっしゃる皆さんはどれだけ幸せですか、とセヤドーは聞いています。
皆さん、幸せですよね?あまり幸せじゃないの?(笑)
返事がないと、こちらが落ち込みます(笑)
この4種類を覚えておいて、明日から自分の関係ある家族だったり友人だったりに、慈悲を送って下さい。
残りのお話は、明日また。

サードゥ! サードゥ! サードゥ!

 

註1:この宇宙には大きく分けて6つの世界(六道)があり、さらに細かく分けると31の世界がある。人間界より高い世界(天界)には天人(デーヴァ)が住んでいると言われている。
註2:心(citta)と心色(hadaya rupa)について;「アビダンマッタ・サンガハ」によると、心臓の血液の中に心色(hadaya rupa)が拡散しており、その心色に依拠しているのが意界(心)である。
註3:物質は小さな微粒子が集まったもので、この集まりをルーパ・カラーパ(色聚)と言う。
註4:32身分とは、髪の毛、体毛、爪、歯、皮膚、筋肉、筋、骨、骨髄、腎臓、心臓、肝臓、横隔膜、脾臓、肺、腸、腸間膜、胃の内容物、大便、脳髄、胆汁、痰、膿、血、汗、脂肪、涙、皮脂、唾液、鼻水、関節の滑液、尿。

                      (2019年5月4日  みなかみ合宿での法話)

  

 





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