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2010年2月11日 (木)

サヤレー法話「黄金の孔雀と呼吸瞑想」

 仏陀の過去世のお話をしたいと思います。仏陀はある過去世において、バラナシに住む金色をした孔雀の王様でした。毎日、森の中に朝食を探しに出かける前に、太陽の神に礼拝し、「光を授けてくださりありがとうございます。今日も私にご加護をお与えください」とマントラを捧げていました。また過去仏に対しても、その徳を思いマントラを捧げていました。この二つのマントラを700年間、朝晩、必ず唱えていましたので、危険に襲われることもなく、平穏無事に過ごすことが出来ました。

 ある夜、バラナシ国の王妃は、法話をする黄金の孔雀の夢を見ました。翌朝、王妃はこの夢の話を王様に話し、「ぜひ、この孔雀に会って法話を聞きたいので探してください」とお願いしました。王様はこの願いを聞き入れ、黄金の孔雀を探すように御触書を出しました。

 同じ頃、1人の猟師が「森で黄金の孔雀を見た」と息子に告げました。これを聞いた息子は、早速、王様のもとへこれを伝えに行きました。王様は孔雀を捕まえるよう猟師に命じました。しかし、7年間探し続けても、毎日、礼拝を続け加護の下にある孔雀を見つけることは出来ませんでした。そして猟師も王妃も寿命を迎えてしまいました。

 王妃を失った王様の悲しみは怒りに変わり、孔雀を憎むようになりました。そして王様は金の紙に「黄金の孔雀を食べたものは不老不死を得る」と嘘の遺言を残し死んでいきました。
2代目に就いた王様はこの遺言を信じ、黄金の孔雀を探し続けましたが、彼も寿命を迎えました。こうして通算6世代に渡る王たちが孔雀を探し、そして寿命を迎えていきました。
みなさんも、この金の紙を見たら、孔雀を食べたい気持ちになりますか?

 7代目の王様に孔雀探しを頼まれた猟師は智慧があり、雌の孔雀に魅力的な踊りと歌を教えました。ある朝、黄金の孔雀が礼拝をしようとしたら、心地よい音楽が流れてきました。
とても心地よくなってしまった黄金の孔雀は、一瞬、気付きの心を失くし、その朝の礼拝を忘れてしまったため捕まってしまいました。
気付きというものはとても大切で、黄金の孔雀も一日だけ気付きを忘れたために捕まってしまったのです。

「さ迷う心」は、いつも隣に居て、いつ攻撃してくるか分からないものなので、一瞬でも気付きが無くなれば、すぐにガードを超えて攻撃してきます。一度、心がさ迷い出してしまえば、元に引き戻すのはとても難しく、どんどんさ迷い出してしまいますので、気付きで守りをしっかり固めて、常に吐く息、吸う息に気付きを置いて瞑想してください。

 捕まった黄金の孔雀は猟師に連れられて城に行きました。孔雀は自分を森に帰すよう王様に頼みましたが、王様は「黄金の孔雀を食べたら不老不死が得られる」との初代の王様の遺言について話しました。それを聞いた黄金の孔雀は「私も病になるし、老いもするし、死にもします。その私を食べても不老不死にはなりません。私が黄金の体になったのは前世で五戒を守ったからです。他の孔雀も五戒を守れば黄金の体になることでしょう」と法を説きました。

 私達も今世で五戒をきちんと守れば来世で美しく生まれてくることが出来ると思います(笑)。
みなさん、美しくなりたいですか?(笑)
みなさん美しくなるために沢山お金をかけてる方もいらっしゃると思います。

 気付きの邪魔をする「五つの障害(五蓋)」というものがあります。一つ目は五感を通して得られる感覚的な欲(貪欲)。二つ目は怒り(瞋恚)。集中が薄れて行くに従って過去のことを思い出し、怒りの心が出てくることがあります。三つ目は眠気(昏沈睡眠)。四つ目は散乱して安定しない心(掉挙)。五つ目は疑いの心(疑)で、「今回の合宿では禅定は無理ではないか」とか、「仏陀の教えは正しくないのではないか」という猜疑心が浮かび上がってくることがあります。猜疑心が湧いてきたら信念をもって疑わないということが必要です。

 過去世で積んだカルマ、波羅蜜を心配されてる方もあると思いますが、ここへ来て瞑想しているということは善い波羅蜜を持っている方々なので、みなさん善い修行ができます。自信をもってください。

 15~20分、呼吸のみに集中していればニミッタは必ず観ることが出来ます。集中力が高まった証拠として呼吸が微細になって身体も心も軽くなってきます。しかし、心が軽くなって幸福な気分になると、そのまま幸福な気分に浸ってしまい、呼吸への気付きや集中力が途絶えてしまうことがあるので、幸福感をサポート的存在としながら、頑張って呼吸に集中します。その状態をしばらく保っていくと心が作り出す明るい光が現れてきます。それは外部からの光ではなく極度の集中力がもたらす光です。

 人それぞれの状況によって見える色は違いますが、色に集中するのではなく、常に呼吸に集中してください。するとだんだん色が変わってきます。最初の段階では人によって黄色、青、紫、オレンジ・・などの色が見えてきます。その段階を経ると明るい白色に変わってきます。次にその白色の光が鼻先に移動してきます。そういう状態になってもまだ呼吸に集中します。

 さらにその段階を経ると白色の光がダイヤモンドのような輝きに変わって鼻先に留まるようになります。それでもなお光ではなく呼吸に集中します。この状態で5~10分と呼吸に集中することができたら、初めて集中の対象をニミッタに移します。さらにニミッタに集中した状態を1~2時間持続することができたら禅定に入ることができます。

 みなさん明日はニミッタが見えて、明後日には禅定に入れるように頑張ってください。
一時間、テレビの前で動かずに座っていられるのであれば15分呼吸に集中することも出来ると思いますので、あとは「対象」をどれだけ興味深いものにするのかというところに鍵があるのではないでしょうか。集中することは興味深く面白いものだと心を持っていくことが大切です。

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付記:Mora Paritta (孔雀経)

Udetayañcakkhumaa eka-raajaa
Harissa-va.n.no pa.thavippabhaaso
Ta"m ta"m namassaami harissa-va.n.na"m pa.thavippabhaasa"m
Tayajja guttaa viharemu divasa"m.

Ye braahma.naa vedagu sabba-dhamme
Te me namo te ca ma"m paalayantu.
Namatthu buddhaana"m namatthu bodhiyaa.
Namo vimuttaana"m namo vimuttiyaa.

Ima"m so paritta"m katvaa
Moro carati esanaa.

Apetayañcakkhumaa eka-raajaa
Harissa-va.n.no pa.thavippabhaaso
Ta"m ta"m namassaami harissa-va.n.na"m pa.thavippabhaasa"m
Tayajja guttaa viharemu ratti"m

Ye braahma.naa vedagu sabba-dhamme
Te me namo te ca ma"m paalayantu.
Namatthu buddhaana"m namatthu bodhiyaa
Namo vimuttaana"m namo vimuttiyaa

Ima"m so paritta"m katvaa
Moro vaasamakappayiiti.

(ウ・ウェーブッラ長老訳)
黄金に等しい色をした大地を照らすもの、世間に眼を与える唯一の王は昇る、その黄金に等 しい色をした大地を照らすものを、私は礼拝します。あなたの守護により今日一日を我々は過 します。

すべての法を覚知した諸婆羅門(悪を捨断した諸仏)は、私の礼拝を(受け給え)。そして私 を護り給え。諸仏に我が礼拝あれ、菩提に我が礼拝あれ。解脱者を礼拝し、解脱を礼拝します。
かの孔雀はこの護経を誦えたがら餌を求めに行きました。

黄金に等しい色をした大地を照らすもの、世間に眼を与える唯一の王は沈む、その黄金に等 しい色をした大地を照らすものを、私は礼拝します。あなたの守護により今宵一夜を我々は過 します。

一切法を覚知した諸婆羅門(悪を捨断した諸仏)は、我が礼拝を受け給え。そして私を護り 給え。諸仏に我が礼拝あれ、菩提に我が礼拝あれ。解脱者を礼拝し、解脱を礼拝します。
かの 孔雀はこの護経を誦えながら住んでいました。

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