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2009年3月 6日 (金)

サヤレー法話 「四聖諦・苦について」   (09年5月3日)


「四聖諦・苦について」   (09年5月3日)


 皆さん、こんばんは。どうぞリラックスしてください。そして集中力はそのままでお願いします。今日は苦しみの真実についてお話したいと思います。以前に聞いたことがある方も沢山いらっしゃると思いますが、今回初めての方も参加されていますのでもう一度お話いたします。

 苦しみというのは世界中どこを旅しても、どの国に行っても存在しない場所はありません。ブッダは心(ナーマ)と体(ルーパ)とがある限り、苦しみは耐えないとおっしゃっています。どの国に生まれようとも心と体があるものには苦しみが必ずあると説いています。
 ブッダご自身は6年間修行を積んだ上で解脱をされましたが、その後どうやって苦しみをなくすか、どのように苦しみを乗り越えるか、その方法を人々に説かれました。苦しみから逃れられない状況を脱出するために、体と心を手放すことが一つの条件となります。

 ブッダは解脱に到達された後、鹿野苑へ出られて、五人の比丘や他の梵天達もおられる中で説法をされました。そこではいかにして苦しみから逃れられるかという内容でお話をされました。その中で四つの聖なる真理(四聖諦)を説きました。

1. 苦しみの真理
2. 苦しみの原因(なぜ苦しみが起きるのか)
3. 苦しみの消滅
4. 苦しみを消滅させる道

そして、一番目の「苦しみの真理」には、以下の五蘊(五つの集まり)があります。
一つはルーパ(体)に関して、後の四つはナーマ(心)に関しています。
1. 体に関する集まり
2. 感覚に関する集まり
3. 知覚、想念に関する集まり
4. 心が作り出すもの(サンカーラ)の集まり
5. 意識の集まり

 このように、一つは体(ルーパ)に関すること、残りの四つは心、精神現象(ナーマ)に関するということを理解してください。
 そして、ブッダは体を知ることだけでは十分でなく、心を知ることも大切だとおっしゃいました。体が理由で、心が病んでしまうことがあります。反対に、心が病んだ状態で、体が病に陥るということもあります。みなさん理解できますか。体が痛みを覚えているときは、心も幸せな健康状態ではいられません。

体に関する真理

 体には、地・水・火・風という四つの要素が含まれています。そして体は32の部分から出来ています。これらの部分も全て体(ルーパ)の一部であるということです。さらこの32の部分を一つ一つ深く観ていくと、ルーパ・カラーパという微粒子で出来ています。微粒子のレベルで観ていく時に、初めて生滅というものが理解できます。そのことが分かって初めて、無常・苦・無我について理解ができます。

体が健康の状態ではない時は、地・水・火・風の四つの要素の中の、水の要素や風の要素が強くなってしまったなどの、要素のバランスの不調和が起きています。日本ではこの考えが受け入れられているか分かりませんが、中国の病院では四つの要素のバランスについて、例えば水の要素が足りない、風の要素が強すぎるということで漢方薬が処方されたり、鍼灸でも地・水・火・風のバランスを整えるための治療が施されたりしています。

 もう一つ、体の健康のアンバランスの理由には以下の四つの原因があります。
1,カルマ
2.心
3.温度(温度がルーパの変化に体に影響を与えます)
4.食事に含まれる栄養素

 前世で、戒律の中にある殺しという行いを積んでしまったカルマを持っていると、今世は若くして死んでしまうという影響を及ぼします。理由がなく亡くなってしまう時は、カルマが影響を及ぼしていると考えられることもあります。また、心が健康ではないと、体の健康にも影響を及ぼして、病になったり早いうちに亡くなったりということもあります。シンガポールなどで研究が行われているのですが、ガン患者は病気を知らない間は元気で過ごしていたにもかかわらず、ガンが発覚して本人が知ることによって鬱の状態に陥り、病気の進行が早まったり、治療を始めることによって寿命が短くなるというケースも多く見られます。

 この例を見ても、心の強さがいかに大切か分かると思います。心が強くなければ体も強くなりません。そして心を強くする方法としては、瞑想が一番有効ですので、いろんな意味で瞑想が体にとって一番の薬であると考えることができると思います。毎日瞑想をして心を強くして、栄養をきちんと取って、体を強くすることが大切です。やはり心が弱くなると、体の抵抗力も弱くなるのです。

 三つ目の温度は、とても暑い環境、もしくは寒い環境にいると人間の体はすぐ病気になり、結果として死に至ることもあります。四つ目の栄養素は、食事が体に影響を及ぼすということは皆さんご存知と思いますが、一人一人体のコンディションが違いますので、自分に合った食事を適量頂くということが一番大切です。例えば、肉が美味しくても自分の体には良くないと分かりながら、欲によってどんどん食べ過ぎてしまうと、その積み重ねによって体を壊すこともあります。ですから自分に合った食べ物を知り、それを適量頂くということが体の健康にとっては一番良いことです。

 以上の四つの要素が体を支えていることをよく理解して、生活に組み込んでいくことが大切です。四つのうち三つは自分達のコントロールが割りと簡単に効く要素である一方、カルマは一番コントロールが難しい要素です。しかしこのカルマの要素も、きちんと瞑想修行を積み、精進し、慈悲の心を持って良い心を常に保つことで、良いカルマが作られてきますので、今世で長く良い人生を歩むことができることに繋がります。

宇宙のサイクル

 私達が住んでいる宇宙は無常で、常に変化しています。火・水・風の3つの要素によって常に破壊され続けているのです。人間の寿命もブッダがいらした時代と今とでは大きなサイクルで変化しており、寿命が1千年を超えた時代もあれば、10年程度と短い時代もあり、無常で常に変化しています。1劫(イオン)で64宇宙が生じて滅するというサイクルの中で、人間の寿命も同じ間隔で千年に伸びたり、10年に短くなったりと変化をしています。

 寿命が1千年と長い時代には、人間は五戒をしっかり守り慈悲の心を持って生活していたのですが、反対に寿命が短い時代は五戒を全く守らず両親も敬わずに人殺しも多い世の中で、人々の心が乱れていました。ブッダがいらした時代の寿命は100年と言われていましたが、現代では70年~75年とだんだん短くなっています。今、この世の中で100歳以上生きる人に会うことは少し難しくなってきています。

 大きなサイクルの中で宇宙が破壊の時を迎えると、人殺しや殺し合いが増えて世の中は混乱に陥ります。それを上からご覧になって危険を察知した梵天達は、この状態では危険であると人々に伝え、五戒を守り、慈悲の心を持って生活をするようにと説くために、赤い衣をまとって沢山下界に降りて来られます。
 それを聞いた人々が心を改めて、五戒を守り、慈悲の瞑想や、瞑想修行を励むことによって、宇宙が破壊する時には禅定を得て梵天界に行きます。慈悲の瞑想を通して禅定に入ることで、梵天界に行くことができます。

 宇宙があと2日で破壊すると分かった時、人々は恐怖心でかなり集中力も高まります。その集中力で瞑想することですぐに禅定に入ることができます。 禅定に達すれば梵天界に行け、禅定に達しなければ地獄に落ちるという二つの選択肢の中で、人々はみんな一生懸命瞑想をします。 もし長生きをしたければ、慈悲の瞑想と瞑想修行に励んでください。瞑想のみが助けとなります。瞑想で積んだ良いカルマだけが死後の世界に持って行く事ができます。家族の愛や情はすべてこの人生で終わるものです。今皆さんが瞑想で味わっている苦しみは今一瞬のものですので、どうぞ瞑想に励んでください。瞑想修行をすれば、苦しみからも解き放たれます。

心のリラックス 

 温度に関しては一番適した温度に身を保つことが大切です、心に関してはリラックスすることが重要なことで、あまりプレッシャーを感じて頑張りすぎてしまうと心自体が弱ってしまい、弱くなった心の先にあるのが、結果として不健康な身体になってしまうこともあるので、心をリラックスさせることが大切だということを覚えておいてください。
 
 一日24時間、皆平等に与えられていますが、それを三つ、8時間、8時間、8時間と三つに分けると、8時間は仕事に費やし、8時間はリラックス、家族と一緒に過したり、自分の趣味、とかに使い、後の8時間は眠りに費やしてください。8時間眠りを取らないと身体も心も段々弱くなってしまいます。
 
 8時間以上10時間、12時間と長い時間仕事をしてしまうと、体と心に大きな悪い影響が与えますので危険な状態になります。
皆さん8時間睡眠をとっていますか?
 睡眠時間が8時間以下の場合にはまずいですし、また8時間以上10時間、12時間寝るのも怠けの心が出てしまうので、それもあまりよい状態ではありません。眠り過ぎると怠け者になって、あまり働きたくなくなってきますよね。8時間以上働いてしまうと、エネルギーの消費が大きいので、毎日毎日8時間以上働いているとエネルギーを使って、確実に寿命が短くなることを知っておいてください。
 
 サヤレーの体験 

 サヤレーご自身にも言えることで、彼女は波羅蜜で常に世界中を動き回って皆さんの為に瞑想活動をされていますが、その結果として、15年経って病気がちになったそうです。心は瞑想を通して強く保たれるのですが、身体自体は弱くなってしまいました。
 数ヶ月前台湾へ指導に行った時、100人以上の比丘尼の方々が集まって瞑想修行をされ、皆さん良いペースで精進経験をされていたので、インタビューにも全て出ていたのですが、2ヶ月間咳が止まらない状態でした。それでも無理をして続けられていましたが、やはりそれが終わった後病院へ入院しなければならない状態になってしまいました。
 
 その時、サヤレーは身体の苦しみ、痛みを始めて痛感され、強い薬を沢山飲まれたらしく、その影響で体中に発疹が出てしまい、歩くのも痛いぐらい、服を着るのも痛いくらいでした。インタビュー室へ歩いて行くのにも、心は皆さんの為になりたい気持が一杯だったのですが、身体は痛くて、痛くて仕方がないという体験をされたそうです。
 
 全てに無理をされたので最終的には集中治療室に運び込まれて、そこで強い睡眠薬を注射されました。サヤレーは、お寺に戻ってインタビューをしたい気持があったので、瞑想によって眠らないように心をコントロールしようとしました。瞑想、瞑想としていると心は覚めたり、下降したりでしたが、とにかく心を強くしようとしました。一回の投与で8時間10時間睡眠が続く薬であるのにも関わらず、30分後には目が覚めて、お寺に戻って、インタビューをしたので、お医者さんはたいそう怒っていたそうです。
 
 参加された比丘尼たちは、サヤレーがこれだけ身体に鞭打って自分達を指導してくださっていることを分かって、皆さんも精進されて、大勢の方が過去世を見ることができたそうです。
 その経験でご自身は、心と身体のバランスが必要だということを痛感されたそうです。今までのように続けていたら、身体がついていけないので段々悪い方向に行ってしまうということ気づかれたそうです。
 
 日本にいらっしゃる前に、ドイツで二つリトリート(合宿)されたそうですが、そこで始めてお茶を飲まれて、ケーキを食べ、ゆっくり眺めながらリラックスすることをされたそうです。その時心と身体がずいぶんリラックスして、良い体験だったので、こういうことも時には必要なのだと思われたそうです。
 皆様も働きづめの毎日でなくて、一日1時間、仕事から帰ってきてから1時間、夜でもいいですが、お茶を飲むなどして、自分の時間を持ち、リラックスすることをお勧めします。その時にはテレビを点けずに、本当にもう100パーセント自分のためにリラックスすることを楽しんでください。 
 
 あまり無理をしすぎると、身体の質が悪くなり、無理をして働きすぎるとパワーがなくなってしまうのでその結果として身体の一部が壊れてしまいます。身体の一部が壊れたのを放っておくと直ぐ他の身体に影響します。身体の中で一つの箇所が調子悪いなと感じられたら、そこで働きすぎるのを止めてバランスを取る生活をして、早く直すよう、バランスを取ることを心がけてください。
 
 やはり健康で幸福な心を持つことが大切で、それがあって、健康な体があるということなので、リラックスして、ハッピーな状態に心を保ってください。毎日怒りと、奮闘している心は長くは続きません。
 強い心と身体を保つにはまず瞑想、次は地・水・火・風の四大要素のバランスを保つことで、後は薬が必要である場合は薬をとって身体の健康を保つことを心がけてください。
 
 心の世話もしなくてはいけません。多くの間違った見方や考えが、不幸な感覚や怒りを作り出すとブッダはおっしゃっています。
 今までブッダは物事の真理をきちんと見るように、瞑想修行をしなさいとおっしゃっています。瞑想修行で物事の真理を見るということは、身体が四大要素からできていることとか、ルーパ・カラーパ(微粒子の集まり)でできているとか、無常のものだとか、というものが見えてきて、そうすると執着する心もなくなってしまいます。
 
 ルーパ・カラーパの真実 

 物事の真理が分かると、私達の身体は、どの部分をとっても全てルーパ・カラーパでできている。そして、全て生滅している。これが眼だとか、耳だとか、鼻だとか個別のものでなく、小さな微粒子が生滅しているだけだということを深く理解できます。
 それが分からないと、これが私のものだとか、これは私の妻だとか、これが私の子供だとかいうように執着の心が生じてしまいます。これは間違った見方、間違った捕らえ方で、最終的には間違った考え方になります。
 
 それは例えば、自分の身体が病気になることにも言えることで、なぜ私だけ病気になってしまったのか、という考え方も間違っていて、この身体が私のものでないということが分かります。常にルーパ・カラーパで、無常な状態であることが分かれば、そういう考え方もなくなります。
 他の身体に関してもそうです、私の妻とか、私の子どもだとか、に関しても実はそれを見ていけばそれも32の部分で出来上がっている身体でしかないのです。32の身体の部分も深く微粒子レベルに見ていけば、ルーパ・カラーパ(微粒子の集まり)で、無常の世界を作るわけで、そうすると、これは私の妻ですとか言う執着心も全部消えてなくなります。
 
 いとしい、愛する人に死別するとか、分かれてしまう時にも大きな苦しみが生じてきますが、それも深い瞑想をして、正しい見方、物事の真理というものが見えてくれば、身体も無常のもので、実は微粒子レベルでは、ルーパ・カラーパで、常に生滅している状態なのです。微粒子レベルで全てが生滅していることが分かれば、全ての苦しみから解き放たれます。
 それは嫌いな人にも言えることで、同じ職場でも、同じ家族の中でも嫌いな、敵対心を持っている人がいたとしても、その人も微粒子レベルでは、ルーパ・カラーパで、無常だということが見えてきたら苦しみもなくなります。
敵を持っている方はいらっしゃいますか?

 返事がないのは、いないということですね。いない方が良いのです。間違った見方を持っている故に生じる苦しみがあるので、真理を見ることができることによってこの苦しみから逃れることができます。もう全てが自然の成り行きだと、受け容れることによって悪夢のような苦しみからは逃れることができます。
 すなわち瞑想修行を重ねてジャーナ(禅定)到達して、到達した状態でヴィパッサナー修行をすることによって物事の真理を深く理解することができます。そしてヴィパッサナーで得る真理によってのみ、本当の物事の真理を知ることができます。心と身体が生滅することをヴィパッサナー瞑想で観て、始めて苦しみの真理を理解することができます。

 もし集中力があれば、ヴィパッサナーで真理を知ることはそんなに難しいことではありません。今まで頑張って努力してきましたのでそのまま続けてください。後で、苦しみの元、その原因の話をさせてもらいます。
 ですから、私たちはバランスを保つということが必要です。何事が起こってもそれを受け入れて、そして、時にはカルマの真理について熟慮してください。後30分残っていますが瞑想したいですか?
それでは、30分間瞑想しましょう。

 

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2009年クムダ・セヤドーのお寺 

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2008/7 関西合宿・瞑想会

  • 延命寺三門にて
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